スタッフ紹介 当院が誇る優秀なスタッフがあなたのお悩みに寄り添います

樋山 めぐみ

副院長
外来長
障がい者歯科部門 部長
日本障害者歯科学会認定医
歯科医師臨床研修指導歯科医

樋山 めぐみMegumi Hiyama

紹介動画
歯科医師になった経緯

大好きだったトランペット。プロの道は目指せなくても、歯科医師として楽器奏者の役に立てるのではと考えたのが歯科医師を目指したスタートです。
でも、楽器奏者のための歯科医師って何を学べばいいのかわかりません。そんなときに大学の歯学部で障がい者歯科に出会いました。例えば自閉症のお子さんはこだわりが強く、そのパターンにはある程度の決まりがあります。こうしたことを知るにつけ「もっと障がい者歯科について学びたい」という思いが強くなりました。いつか楽器奏者の口腔ケアに役立つためにも、様々な患者さんの特性を学ぶことは大切だと考えたのです。

担当している障がい者歯科について

現在は、障害をお持ちの方に、その特性を理解しながら治療を受けていただくことを専門に、外来診療はもちろん訪問診療も行なっています。
診療では、歯ブラシなど身近なものからトレーニングを行う「行動変容法」や、使う道具について説明し、見せて動かす「TSD法(Tell Show Do法)」などを用います。急にエアータービンなどの歯科器具を見せられパニックになることもあるので、こうした診療方法は有効です。
また、写真や絵カードを使って事前にその日の診療内容をお伝えすることもあります。場合によっては保護者の方に器具などを撮影してもらい、それを前もって自宅で見せていただいたりもします。

通常の診療が難しい場合、全身麻酔での診療も行なっています。ただ、全身麻酔がクリアできたとしてもそれで子どもたちが歯医者嫌いになるのは避けなければなりません。そこでまずは椅子に座る練習から始め、治療が終わった後も歯医者嫌いにならないよう心がけています。
これらはすべて自閉症の発達を支援する「TEACCHプログラム」に基づき進めています。

ちなみに、私の診療のモットーは「嘘をつかないこと」。
自閉症のお子さんはこちらの言葉をそのまま捉えてしまいます。たとえば「怖くないよ」「もうちょっとだよ」という励ましの言葉も、相手からすると「怖い」し「長い」かもしれません。
歯医者さんはウソつきと思われると、今後の信頼関係にも影響しますし歯医者嫌いのきっかけになってしまうかもしれないので、保護者・介護者にも接し方について丁寧にお伺いするようにしています。

そんな当院では、2017年に障がい者歯科専用エリアを開設しました。
広めの専用待合室があり、駐車場からもすぐに入れるため、車いすで通院を諦めていた方や周りに迷惑をかけるからと通院をためらっていた方、大学病院で待合までの距離にしんどさを感じていた方など、多くの保護者・介護者に安心して通っていただいています。
また、麻酔科の医師や歯科麻酔科医、看護師、保育士、管理栄養士など各分野のプロが揃っているので、他院での診療がうまくいかなかった方も安心安全に受診できるとたくさんの喜びの声をいただきます。

広島大学、岡山大学の障がい者歯科との連携も当院ならではです。これにより、対応できる機関の少ない医療的ケア児への訪問診療や摂食嚥下障害へも対応できるようになりました。両大学病院のノウハウを得ながら診療にあたれるのは、当院の強みだと感じています。

現在、ひまわり歯科は日本障害者歯科学会の研修施設としても認定され、障がい者歯科を学ぶ若い先生たちの教育機関、研究機関としての役割も担っています。
ここから巣立っていく歯科医師たちが、いつか障がい者歯科の最前線に立ち、「障がい者歯科を知らなかった」「治療を受けたいけど受けられない」といった方の声に応えてくれることを期待します。
そして私自身も、治療が必要な誰一人も取り残すことのないよう近隣の歯科医院と連携を取っていきたいと思います。

ページトップへ戻る